HIDIZS MP143 Salt Review × かずおでーす

音質について

それでは音質について紹介していきたいと思います。フィルターはバランスのピングゴールドを装着しています。傾向としてはやや低音寄りのバランス。解像度はやや暖色寄りから普通程度。音場は広め～かなり広い、と言った感じです。
一聴して感じる事はとにかく音場の広さと定位の良さ。この価格帯のイヤホンとしてはかなり広めの音場の中、どの音域も定位がハッキリしており音が固まっておらず分散して聞こえます。
その上その低音域のキレが非常に高く、聞いていて非常に楽しいイヤホンとなっています。解像度も高すぎるという訳ではなくやや暖色寄りのため聞き疲れの心配もありません。

高音域はキラキラ感は抑えめとなっており、ややナチュラルで落ち着いた表現。しかしある程度の解像度はあり解像度不足を感じさせる事はありません。

中音域は男性女性共にボーカル表現が素晴らしいです。標準フィルターだと低音が前に出てくる事により少しボーカルがマスクされてしまう事もありますが、それでもボーカルは沈まずにある程度存在感があります。ただ、人によっては少しボーカルが遠いと思う方もいらっしゃるかもしれません。
また、「中音域内での」分離はあまり良くは無いので、例えばアイドルグループの曲や合唱曲などは少しボーカルが固まって聞こえる感じはあります。低音が左右に広がる中、分離感が低いボーカルの塊があるように聞こえますね。しかしそれ以外のボーカルの表現は非常に良く、生々しい歌声を聞く事が出来ます。

低音域はこのイヤホンのウリの一つ。とにかく厚みとキレ・表現の良さが素晴らしく、また定位表現の良さの相性が抜群。具体的に表すとギターは少し右寄り、ドラムはやや中央寄り、そしてそのドラムの手前にボーカルがあるような空間表現がされています。
ただ曲によってはボーカルより手前に出てしまう事やマスクしてしまう事があるため、そこは好みが分かれるところかもしれません。

そのような傾向を持つイヤホンなため、おすすめ出来る方としてはとにかくバンドサウンドをよく聞く方。低音域の表現力の高さと音場の広さ、またボーカルの表現力の高さがバンドサウンドとの相性が良く、聞いていてとても気持ちが良いです。
一方解像度が高いかというと高いという訳ではなく、またやや低音域寄りのイヤホンでもあるので、高音域重視の方には向かない可能性が高いと感じます。

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